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「むしば」の表記はどれなの?

2020.09.08

こんにちは。安城市の神谷歯科医院院長の神谷繁彦です。

今回は治療のことからちょっと離れて書こうかと思います。

むし歯(ムシ歯、虫歯)は皆さんはたいてい虫歯と書いてしまうと思います。

 私はこの書き方は何か疑問を感じるのです。なぜなら歯が欠けたときに「虫歯」という書き方は何か引っかかるものがあると感じるからです。

 学問的には「齲蝕」と言います。「齲」の意味は蝕むという意味のようです。

 一方、「虫歯」の虫って何でしょうか?虫が歯を食ったから?よくわかりません。

それで、「むしば」と書くときに、「むし歯」と書くか「ムシ歯」、「虫歯」と書くかどれが正解なのでしょうか?

 

 で、この表記について調べてみました。そうしたら下記のことが出てきました。

開業医の中でJSPP(全国小児歯科開業医会)という歯科医組織があり、そこで協議されています。平成18年度第3回理事会(平成19年1月28日)においてどの表記にするか決まりました。これにより、日本学校保健会、日本学校歯科医会などにも統一の表記をしましょうということになりました。どの表記になったかというと、

「むし歯」

ということになりました。

虫歯というのは、「蝕まれた歯」ということで一般的に使用してきた経緯があります。しかし、お子様が虫歯という表記をみて、昆虫が歯を食べることによってできるという誤解をしてしまう恐れがあるということで、この表記にしましょうということのようです。

 

しかし、出版業界やマスコミの決まりはまた別のようで、漢字の「開き」と「閉じ」の関係で「虫歯」のほうが書きやすいようです。

漢字の開きと閉じとは以下のようなことです。

漢字でもひらがなでもどちらでも表記可能な言葉をどちらで記すべきかということです。例えば「いただく」とすべて仮名で書く(開く)べきか、「頂く」と漢字を使う(閉じる)べきかという問題のことです。もう一つ例を上げますと「あらかじめ」は「予め」と書かずに、開いて「あらかじめ」と書きます。

「むし歯」では、開きと閉じが混じっているため、校正にひっかかってしまうそうで、オール漢字にして「虫歯」としているようです。

 

しかしこの書き方は学問的には筋が通りません。ここのブログは学会に倣って「むし歯」と書こうかと思います。

違和感を持たれる方もあろうかと思いますが、よろしくお願いいたします。