入れ歯は一節縄ではなじまない―調整によって調子を上げていく
2020.08.15
安城市の神谷歯科医院、院長の神谷繁彦です。
この前、歯のないところに入っているはずの入れ歯をつけずに来られた患者さんが来られました。なぜ入れ歯をつけていないのかお聞きすると、「入れたら痛くなってきたのではめるのをやめた」とのこと。
我々歯科医師は入れ歯を作るのに苦労するところがあります。その大きな理由に歯ぐきの粘膜が柔らかいということがあります。また下の入れ歯の場合、舌があるなどで型取りに苦労します。
また自分の歯で上下のかみ合わせがしっかりできる方なら楽ですが、自分の歯が当たらない方は高さが決めにくいので、顔の表情を見るなどでこちらで決めさせていただいています。
このように苦労して入れ歯の裏側を合わせ、また高さを決めて作っていくのですが、材料の性質上、どうしても多少の狂いができます。それを最後に入れ歯を入れるときに修正していきます。
それで完全にぴったりと合う方は臨床上は3割くらいかなあと思います。残りの方は時間がたつと初めは痛くなかった、また具合がいいのに、時間がたつと使いにくくなったなどの症状が出てきます。そのための確認をお願いしたく、約1週間の時間をおいて確認させてもらっています。
調子の悪い方はそこで削ったり調整をするなどをして状態をよくします。そしてまた時間をおいて様子を見ます。
このようにして時間をかけて入れ歯の調子を上げていきます。
入れてから調子が悪くなったのでもう使うのをやめてしまうと、前に書いたように噛み合わせの歯が伸びてきてしまい、ものが噛めなくなってしまいます。それでは何のために入れ歯を作ったのか意味がなくなってきてしまいます。
使っている途中でもお口に中の変化により、入れ歯が使いにくくなることも多々あります。入れ歯を作りたい、また具合が悪くなったということがあればご相談ください。
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