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ジルコニアについて―セラミックより丈夫な材料

2023.04.25

ジルコニアって何?

ジルコニアとセラミックとどう違うの?

こんにちは。安城市の神谷歯科医院、院長の神谷繁彦です。

前に歯に似せた材料の中にジルコニアを出しました。今回はそのジルコニアについてお話しします。

 

歯に使う材料は大きく分類すると高分子樹脂(レジン)系、金属系、セラミックス系があります。

レジン、金属、セラミックスもそれぞれ多様な種類があり、様々な特徴持っていています。

その無数にある材料の中から状況に合わせて適切なものを選び使用します。

レジンや金属については前のブログをご参照ください。

 

セラミックは無機質を焼き固めたものです。

粘土を焼き固めた土器や陶磁器、ガラスなども広い意味でセラミックスです。

現在は純粋な原料で作られ結晶構造を持つファインセラミックスのことを、単にセラミックスと呼ぶことが多いです。

ガラスも広い意味での非結晶のセラミックスです。

セラミックスは硬い、割れる、曲がらないという特徴があります。

金属は原子どうし金属結合している物質ですが、樹脂(有機質)とセラミックス(無機質)は原子どうしが共有結合しています。

 

今回はここからが本題です。

ジルコニアとは二酸化ジルコニウム(ZrO₂)とも呼ばれ、人工ダイヤモンドともいわれています。

ここ数年で飛躍的に研究が進み、2005年に国内で薬事承認されました。

それから治療でも用いられる機会が激増しました。

ジルコニアは、人工ダイヤモンドとも言われるように、セラミック系素材の中でも圧倒的に丈夫で、また色も白く審美的なので、銀歯と比較しても非常に目立ちにくが特徴です。

モースの硬度計で言うと、8~8.5ぐらいです。

今では天然の歯と見分けがつかないほど美しく加工もできるようになり、審美領域(前歯)でも活用できるようになりました。

また、ジルコニアは、金属のようにサビない、金属アレルギーにならないという身体に優しい材料です。

そして劣化が少なく、お口の中で、常時唾液にさらされ、なおかつ噛むことで力が加えられるという劣悪な環境においても、安定した状態を長期間保つことができます。

 

 

ジルコニアの利点は以下の通りです。

  • 割れにくい・壊れにくい(強度がある)       
  • 体に優しい安全な材料である(金属アレルギーにならない)
  • 色が白く透明感があり、審美的(見た目が自然)
  • 変色が少なく、歯ぐきの変色も起こさない(半永久的に審美的)
  • 幅広い治療・設計が可能(インプラント体・義歯・ブリッジへの応用)
  • 汚れがつきにくいため、清潔に保てる
  • 仮止めで経過を見ることができる。(セラミックは基本的に仮止めができないが、ジルコニアは強度があるため、仮止めで様子をみることができる。)

また、ジルコニアの欠点は以下の通りです。

  • 割れてしまう、壊れてしまうことがある。(いかに強度が上がって割れにくくなったとはいえ、やはりもろさはあります。)
  • 歯を削る量が少し多くなってしまう。(やはりある程度の厚みは必要です。)
  • 研磨や調整が難しい。(修理ができないので、場合によっては再作成になります。)
  • 接着材を上手く活用しないといけない。(かなりの接着力のある接着剤を使用します)
  • 保険が効かないので、自費診療になってしまう。

 

 

いかがでしょうか?

上記のような欠点があるとはいえ、前回お話ししたCADCAMよりはかなりの強度があります。

また、クラウンだけでなく、インレーもあります。

現在の値段はMBなどより少し高い程度になっております。検討されてみてはいかがでしょうか?