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ジルコニアの歯科応用の特徴と欠点—良さもあれば注意点もある。

2025.01.10

ジルコニアってどんないい点があるの?

ジルコニアとセラミックとどう違うの?

こんにちは。安城市の神谷歯科医院院長の神谷繁彦です。

前回おジルコニアの概要についてお話ししました。今回はその特徴、特に歯科への応用についてについてもう少し突っ込んでお半差しします。

ジルコニアのメリット

ジルコニアの最大の材料特性は、高い強度と耐久性です。また、金属を使用しないため、金属アレルギーや、金属イオンが溶出して歯ぐきが黒ずむなどのリスクもありません。

ジルコニアのメリットを以下に詳しく解説します。

 

(1)強度・耐久性に優れている

ジルコニアはオールセラミックと比較して顕著な強度と耐久性を持ちます。長期間使用しても割れにくいのが大きなメリットです。

歯ぎしりや食いしばりのある方や、噛み合わせの強い奥歯や前歯の差し歯に使用しても、割れる心配は少ないでしょう。

 

(2)見た目が美しい

ジルコニアは自然な白さと透明感を持ち、光を透過することで天然歯のような自然な仕上がりを実現します。開発当初は天然歯との色の調整に難がありましたが、技術の進歩により天然歯に近い色合いを再現できるようになりました。治療では仮止めの段階で仕上がりを確認できるため、患者さんが理想とする仕上がりに近づけることができます。

つまり、ジルコニアはセラミックの美しさと金属に匹敵する耐久性を兼ね備えており、このバランスがジルコニアを選ぶ際の大きなメリットです。

 

(3)むし歯になりにくい

ジルコニアの表面は滑らかな質感のため、プラークや汚れが付着しにくいです。そのため、長期間にわたって口の中を清潔に保つことができます。

作り方は歯科用のコンピュータ制御の3Dプリンターを使用するので精度がよく、土台の歯とジルコニアの歯との間に隙間ができにくいため、適切なセルフケアを行うことでむし歯の再発リスクを低減できるのも大きなメリットです。よってジルコニアは、その美しさだけでなく、口内衛生を維持しやすい点でも優れた素材といえるでしょう。

 

(4)金属アレルギーのリスクがない

銀歯(多くは金パラジウム銀合金)の場合、唾液によって金属が溶け出して金属アレルギーを引き起こすリスクがあります。

一方、ジルコニアは銀や亜鉛などの金属を含まない素材であるため、金属アレルギーの心配があまりありません。安全性が高い点も大きなメリットといえるでしょう。金属アレルギーを持つ方にとって、ジルコニアは安心して使用できる選択肢となり得ます。

 

(5)変色しにくい

ジルコニアは金属を使用しないため、経年変化による変色やくすみ、黄ばみがほとんどありません。銀歯のように銀イオンによる歯茎の変色もなく、見た目の美しさが長期間維持される点もメリットです。

 

審美性と機能性を長く保ちたい人にとって、ジルコニアは理想的な選択肢といえるでしょう。

 

ジルコニアのデメリット

どんな材料でもメリットがあればデメリットもあります。

以下に、ジルコニアのデメリットについて解説します。

 

(1)歯を多めに削る必要がある

ジルコニアは、材料の性質上、金属に比べて粘りが少々落ちる欠点があります。そのため材料の厚みを一定数取る必要があります。その分の厚みが必要になるため、歯を多く削る必要があります。その分知覚過敏が起きやすいかもしれません。また歯を削る量が少ないと、ジルコニアが適切にフィットせず、お口の中に入れた技工物が脱離する可能性が高くなります

 

(2)自然さがやや劣る

ジルコニアはかなり歯牙になじむ色調に作成できるのですが、やはり人口の材質であることには変わりはなく、オールセラミックと比較すると、白さや光沢の点で少し自然さに欠ける場合があります。

しかし、この違和感はよく見なければ分からない程度であり、大きな問題にはなりにくいです。実際にジルコニアを使用しても、初対面の人に歯が不自然に見えると感じられることはほとんどありません。

ただ、色が天然歯より変わらないため、時間がたつ(20~30年後)と天然歯より白く目立つことがあるかもしれません。

 

(3)入れた時の費用が高額

ジルコニアを用いた歯科治療は残念ながら基本的に保険適用外であり、治療費が全額自費となり、高額になること欠点があります。自費治療だからこそやむを得ないことかもしれません。

しかし、考えてみてください。ジルコニアの耐久性と長寿命(私は1度入れたら10年は持つと考えています)を考慮すると、コストパフォーマンスは非常に高いと思いませんか。初期投資は大きいものの、その後の長期的なメンテナンス費用や交換頻度を減らすことができるため、結果的に費用は安くつくと思います。これは保険適応のCADCAMと比べてみるといいと思います。ただ歯周病にならないなどのお口の手入れを怠ってはいけません。

蛇足ですが、それを心掛けることによってお口全体の環境が改善できれば一石二鳥かと考えております。

 

いかがでしょうか。

どのようにお口の状態を改善していくかは患者さん次第かと思います。そのための情報提供は当院では惜しまず出すつもりです。ジルコニアを含め、当院では無理やり自費をお勧めしません。行うのには考える時間が必要かと思いますので、できるだけ早く情報提供をしようかと考えております。

御心配事がありましたらスタッフにご相談ください。