最近ジルコニアって聞くけれどどんな材料？

ジルコニアではどんな場合に使うの？

新年おめでとうございます。今年も神谷歯科医院をよろしくお願いいたします。

さて、最近、歯科の被せ物は新しい材料が使われるようになってきました。一つはCADCAM、もう一つはジルコニアです。今回はジルコニアについてお話しします。

ジルコニア（化学式：ZrO2）とは、ジルコニウムの酸化物、二酸化ジルコニウムの事です。常態では白色の固体で、融点が2700 ℃と高いです。それゆえに前々から、耐熱性セラミックスの材料として利用されてきています。また、透明でダイヤモンドに似て高い屈折率を有するため模造ダイヤモンドとも呼ばれ、宝飾品としても用いられています。なお、天然にはバッデレイ石として産出します。。

ジルコニアの中に酸化カルシウムや酸化マグネシウム、あるいは酸化イットリウムなどの希土類酸化物を入れると、構造中に酸素空孔 (Vacancy) が形成されて物質として安定し、またより硬くなります。これを安定化ジルコニアと呼びます。そして前述の添加剤の量を減らしてわずかに変態出来るようにした、部分安定化ジルコニアの方が機械的特性に優れることが知られています。歯科ではこのジルコニアを使用します。

よってジルコニアは「人工ダイヤモンド」とも呼ばれ、優れた審美性と高い強度を誇る素材です。

従来、奥歯の被せ物には金属が用いられてきました。また被せ物の色調を合わせるのにはセラミックスが使われてきました。しかしセラミックスは硬さの強度がある半面、脆さもあり、現在では脆さの面でも強度が高く、色調も合わせやすいジルコニアの被せ物が広く採用されています。これにより、金属アレルギーを持つ方でも、安心して奥歯の治療を受けられるようになりました。

ジルコニアの応用は歯科治療にとどまらず、人工関節などの医療分野にも広がっており、その生体親和性と無害性が評価されています。

また今までの歯科材料では口腔環境が食事や飲み物による温度変化や、酸性やアルカリ性に変化で影響が出ることがありましたが、ジルコニアはそのような過酷な環境でも安定しており、歯や歯茎に悪影響を及ぼすことはほとんどありません。

よって、ジルコニアはその美しさ・強度・生体親和性を活かして、医療分野での幅広い応用が期待される素材なのです。今までのセラミックより割れにくいのです。

よってジルコニアは現在、いろいろな形で適応されています。インレー（部分の詰め物）はもちろん、クラウンやブリッジにも応用されています。

いかがでしたでしょうか。

まだジルコニアの歯科での応用についてお話ししていないので、次回は具体的な特徴と応用についてお話ししたいと思います。