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歯科と全身疾患について―歯周病は万病の元、その2

2022.08.24

前回に引き続き、歯周病が引き起こす全身疾患を紹介します。

 

メタボリックシンドローム

メタボリックシンドローム(Metabolic syndrome)とは、内臓脂肪型肥満(内臓肥満・腹部肥満)に高血糖・高血圧・脂質異常症のうち2つ以上の症状が一度に出ている状態を言います。

メタボリックシンドロームになると、心疾患や脳梗塞になりやすいと言われています。(別掲)

脳梗塞、狭心症、心筋梗塞 、閉塞性血栓性血管炎

脳梗塞とは、脳の血管が突然詰まって血流が途絶え、脳の神経細胞が死んでしまう病気です。

また、狭心症は冠状動脈が何らかの原因でうっ血状態になることで、心筋梗塞はそれが進んで完全にア血流が停止した状態を指します。

これらは日本人の三大死因のひとつでもあります。

原因の元をたどると、歯周病菌が血液に乗り全身を巡ることのようです。

つまり、歯周病菌に侵された血液が全身をまわり刺激することで、動脈硬化を誘導する物質が血管内にプラーク(粥状の脂肪性沈着物)を作ります。

そしてこれらの病気の原因である動脈硬化を引き起こします。

時にそのプラークがはがれて血管につまり、これらの病気を引き起こすのです。

また閉塞性血栓性血管炎(バージャー病)とは手足の血管が詰まり、炎症がおきることで皮膚に痛みや潰瘍をおこす病気で、これも同じ原因で起こるのです。

東京医科歯科大学の調べによると、バージャー病を患う全員が中~重度の歯周病と診断されました。このデータから、バージャー病と歯周病の関係が深いことが分かります。

 

早産・低体重出産

早産・低体重児の場合の母親の健康状態を調べてみると、重度の歯周病にかかっている割合が高いという統計があります。

特に、妊娠するとエストロゲンという女性ホルモンの影響で、炎症が起きやすく、口の中では歯周病菌の増殖を促すため、お口のトラブルが見られやすいです。

これを予防するためには、定期的な健診を行い、口内環境を整えることが大切です。

 

骨粗鬆症

骨粗鬆症とは、全身の骨強度が低下し、骨がもろくなって骨折しやすくなる病気です。患者の9割が女性と言われています。

 

歯周病が進行し歯を喪失してしまうと飲食が難しくなり、ビタミンDやカルシウム不足、低栄養となります。その結果、骨粗鬆症を悪化させると言われています。

その予防のためにも常にお口の中を清潔にすることが大切です。

 

 

いかがでしょうか。

歯周病、たかがお口の中だけの問題と軽く見ていると、将来にわたって思わぬ病気を引き起こすことがありますので、常にお口の中は清潔に保つように心がけてください。

家だけのクリーニング(ブラッシング)だけでは限界のあることもありますので、定期的にお口のクリーニングにおいでください。

以前は6か月が主流でしたが、最近はこの間隔が短くなる傾向にあります。

受付でご相談ください。