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抜歯について。どうしても抜かなければいけない歯ってどんな歯?

2021.07.29

『どうしても抜かなければいけない歯ってあるの?』

『一度歯を抜くと決めたけれどやっぱり抜きたくない!』

こんにちは。安城市の神谷歯科医院院長の神谷繁彦です。

ヒトの歯は場所によって2回生えてきます。

それは乳歯が生えているところです。

乳歯が抜けてしまうと基本的には永久歯しか残りません。

また永久歯しか生えないところもあります。

さてそのような大事な歯、できるだけ長く残したいのです。

私も長く残したいと願っています。

それでなくても抜歯は怖いというイメージがあります。

よってできるだけ抜歯はしたくないですよね。

おまけに化膿止めなどを飲むことになるので特に妊娠中の方は歯は抜きたくないですよね。

しかしどうにも残せない場合もあります。

下記のような場合です。

 

(1)重度のむし歯

基本的にむし歯などで歯冠部(歯ぐきから出ている歯の部分)がなくなってしまい、歯の根だけ残っているというケースは抜歯の対象になりえます。

しかし、歯の根が長い(10mm以上)の時は歯が持ちこたえる可能性があるので条件によっては残すことも考えることがあります。

ただし、その場合でも歯冠部の歯質がない場合は入れたかぶせ物が取れやすい傾向があります。

かぶせ物がすぐとれるような状態の歯の根はあきらめざるを得ません。

 

(2)歯の破折

歯の破折にもいろいろな程度のものがあります。

歯冠部内の破折でしたら、たいていの場合は歯を抜かずに修復して治せますが、歯の根が折れた、または歯の根が裂けたような状態でしたらあきらめざるを得ません。

 

3)重度の歯周病

歯周病とは歯を支えている組織の炎症です。

歯肉炎のようにまだ歯肉内の炎症が亜限定している場合はブラッシングなどで十分治せるのですが、歯周組織炎など、歯を支えている骨(歯槽骨)まで炎症が起きて歯が揺れている場合は黄、または赤信号です。

まだ歯が揺れないうちなら何とか歯を抜かずに治したいところです。

ところが重度の歯周病で歯がぐらぐらになった、周りに歯槽骨が吸収して亡くなっているという場合にはあきらめざるを得ません。

時にお口や全身に対して害になることがありますので、その場合には残念ながら抜歯しなければいけません

 

 

(4)親知らず

親知らずは出てきたら必ずしも抜歯しなければいけないものではありません。

私の基準としては上下ちゃんと噛んでいる、歯磨き(ブラッシング)がうまくできているならばむしろ積極的に残すべきと考えています。

どうしても抜かざるを得ない場合は親知らずが原因で顎が腫れてしまっている場合です。

腫れているのを放置していると炎症がのどに回り、それも放置すると胸にまで広がって命の危険にさらされることがあるからです。

ただ、使っていない親知らずでも、将来橋渡しの歯(ブリッジ)の台に使う場合がありますので、そこは見極めて残すか抜歯するかを判断しています。

残す場合はもちろんブラッシングをしっかり行うことが必要です。

心情としてはできるだけ口に中は傷つけたくありません。

 

(5)その他

あごの骨の中に何らかの原因で膿の袋ができることがあります。

その上にある歯は抜かざるを得ません。

また顎の骨が折れた場合はそこに植わっている歯は抜歯せざるを得ません。

その他、歯科矯正で歯を抜かないと顎の長さが取れない場合は抜歯することがあります。

(最近はケースが減ってきたようです)

 

いかがでしょうか。

どうしても抜歯が避けられない場合も多々ありますが、できるだけ抜歯を避けるには日常のお口のお手入れから始まるのではないかと思います。

もし抜歯について心配があるようでしたら、お気軽にご相談ください。

「抜歯する」と決まっていても、当日に何らかの事情でドタキャンということもあります。

(相談してもらえると嬉しいです)

麻酔も最近はよく効いてくれますのでご安心ください。