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病巣感染―思わぬところに病気の原因がある。歯科も例外でない!

2023.11.02

歯の病気は万病の元って言われるけれど、

歯を治すと体が元気になるの?

こんにちは。安城市の神谷歯科医院院長の神谷繁彦です。

皆さんは歯の病気は歯だけで終わると考えておられないでしょうか?実は、それは大間違いなのです!

実は病気の中に、「病巣感染」というものがあります。

これは体のどこかに細菌感染などによる慢性の炎症があり、それ自体の症状は軽いのですが、これが原因となって他の臓器に反応性の病変をつくることがよくあります。

この元となる炎症の部位は歯や歯周組織だけではありません。

基となる病気の元(原病巣)は歯科扁桃、副鼻腔、鼻咽腔、および歯科領域が多いようです。

中でも歯科関係が原病巣という例はほかのところより多いようです。

これらの場所は私たち人間にとり空気と食物の入り口に位置し、病原菌などの抗原に最も暴露され易い部位だからと思われます。

そしてその病原菌は、主に血液、血管を通して運ばれます。

運ばれるやすい場所として、心臓、腎臓、関節、皮膚、虫垂など、全身にわたっています。

具体的には①腎炎、②掌蹠膿疱症、③微熱ブドウ幕症、④慢性関節リウマチ、⑤胸肋鎖骨異形成症があげられます。

 

 この中で歯科として注目されるのが掌蹠膿疱症です。

掌蹠膿疱症とは手掌・足底に無菌性の膿疱が反復して出現する病気です。

症状は手掌・足底に多数の膿疱が両側に急に出現し、しばらくするとガサガサになる。

この症状がよくなったり悪くなったりします。

原因として、無菌性であるが、慢性扁桃炎(扁桃病巣感染症)・虫歯・歯肉炎などの歯性病巣や、歯科用金属やアクセサリーなどに含有するプラチナによる金属アレルギーの関連性を指摘する報告があります。

最近では、金属アレルギーでないという研究結果も出ています。

 

病巣感染の好発部位は扁桃、副鼻腔、鼻咽腔、および歯科領域です。

特に歯科は原病巣として注目されています。

歯科で隠れた病気としては、歯周病があります。その他、無症状の歯の根の炎症(根尖性歯周炎)が考えられます。

これらの治療を行ったところ、上記の掌蹠膿疱症の症状が消えたという報告もあります。

 

いかがでしょうか。

歯科、口腔の炎症を抑えることで、上記の病巣感染の予防になることが多々あります。

ただ我々が実際にそれに気が付いていないことも多いのです。

そのためにも健診を行って上記の病気を防ぐことができれば幸いなのです。