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フッ化物応用の実際—歯医者さんでやる方法と自宅でやる方法

2023.08.22

フッ素を塗るのは歯医者さんだけでしかできないの?

家でやるフッ素予防って何?

こんにちは。安城市の神谷歯科医院院長の神谷繁彦です。

今回はフッ化物の応用はどのようにして行うかを中心にお話しします。

フッ化物塗布は、歯科医院で行うものと自宅で行えるものがあります。

それぞれ特徴があります。

(a)歯科医院でしかできない高濃度フッ化物塗布

歯科医院では、フッ化物は、日常使用する歯磨き剤などに含まれるフッ化物の約10倍の9,000ppmのものを使用します。

当然、歯科医院でしか使用が認められていません。

高濃度のフッ化物塗布剤を歯面に3~4分間塗布することで、歯の表面につくられた

フッ化カルシウムからフッ化物イオンが放出され、歯の結晶であるヒドロキシアパタイトを酸に溶けにくいフッ化アパタイトに変えていきます。(酸抵抗性の向上)

しかし、この反応は歯の表面に限られる上、機関とともに少しずつ消失します。

よってフッ化物塗布は1回だけでなく、何度も塗布することで効果が高まり、むし歯などに対してより強い歯へと変えてくれます。

おおよそ3か月から6か月の間隔で塗布するといいでしょう。

塗布後、だ液は飲み込んでも構いませんが、30分間は飲食や洗口をしない方がフッ化物が安定します。

また、リン酸酸性フッ化物(APF)で塗布した時は(特に塗布した直後)、歯に色がつくのを防止するために、カレーやウーロン茶など色素の強い飲み物や食べ物の摂取を控えましょう。

 

(b)自宅では低濃度フッ化物を組み合わせて使う

225~1500ppm程度の低濃度フッ化物が含まれているフッ化物配合歯磨き剤や洗口剤を使用します。

この場合、応用後に歯表面に残ったフッ化物が、歯が溶けるのを抑える作用(脱灰抑制)と再石灰化を促進します。

しかし、濃度が低い分、多くは唾液によって洗い流されてしまいます。

そのかわり、口腔の粘膜に残ったフッ化物が少しずつ放出されて、歯表面の脱灰抑制と再石灰化の促進を継続します。

粘膜上に保持されたフッ化物も歯科医院で塗布した時よりは早めに消失します。

また、濃度も低いので、フッ化物洗口は1日に1回、フッ化物配合歯磨き剤は1日に2回以上使用するとよいでしょう。

 

このように、高濃度と低濃度フッ化物とではむし歯予防作用が変わってくるので、両方をうまく組み合わせて取り入れるのが最良と思います。

また、生えたばかりの乳歯や永久歯はフッ素を取り込みやすく、子供の頃のフッ化物塗布はその後の歯の健康を左右すると言ってもいいでしょう。

最近では市販でフッ化物入りペーストや歯磨き粉も売られていますので、歯科医院でのフッ素塗布と併用してむし歯予防に力を入れるとよろしいかと思います。

 

ではいつからフッ化物塗布、または自宅での予防を始めたらいいのでしょう?

子供の頃は、歯医者を嫌がってフッ化物塗布ができない場合もあります。

歯科医院でのフッ化物塗布では、歯が生え揃ってきた頃にスムーズにフッ化物塗布ができるよう、少しずつ歯医者に慣れさせていくようにしていくといいでしょう。

前にお話しした産後歯科健診を利用するのもいいかもしれません。

特にむし歯になりやすい乳歯の奥歯が生えた後(2歳半頃)はフッ素塗布を積極的に行いましょう。

そして、永久歯が生えそろう14歳〜15歳頃まではフッ化物塗布を定期的に行いましょう。生えはじめの永久歯もフッ素を取り込みやすいので、高いむし歯予防効果があります。

特に永久歯は一生使っていく歯になりますので、生えた頃からしっかりとむし歯予防を行っていきましょう。

 

いかがでしょうか。

お子さんのフッ化物応用は早ければ早いほどいいかもしれません。

ただ本人がどれくらい受け入れてくれるかはやってみないとわかりません。

気になるようでしたらご相談ください。