歯の数が少ないと認知症になりやすい。
2021.04.30
こんにちは。安城市の神谷歯科医院院長の神谷繁彦です。
前にここで「ひみこのはがいーぜ」のお話をしました。
細菌その中で「の(脳の活性化)」の話が話題になってきました。
そのもとになっている研究は下記のとおりです。
歯と認知症に関する調査で、65歳以上の約4400人(介護認定を受けていない)を対象に調査を実施した結果、歯がほとんどなくて、入れ歯を使っていない人は、歯が20本以上ある人に比べて約2倍ほど認知症になりやすいことがわかりました。
また歯がほとんどなくても、入れ歯を使っている人は、入れ歯を使っていない人に比べて、40%ほど認知症のリスクが低くなるということでした。
これは食べ物を噛むことで、その刺激が脳に伝わって、認知症の予防になっているのではないかと考えられています。(神奈川歯科大学)
次に歯と認知症の関係を調査した研究では、残存歯数が少ない人ほど、脳の海馬や前頭葉の容積が小さくなるということです。
認知症ではない人は、残っている歯の数が平均約15本であるのに対して、認知症になっている人の歯の数は、平均約9.5本でした。この結果から、お口の中の歯の3分の2を失うと、認知症のリスクが高まると考えられます。(東北大学)
さらに、マウスを使用した研究では、歯のないマウスの脳には、歯があるマウスに比べて、アルツハイマー型認知症の原因と考えられるアミロイドβ蛋白の沈着を多く認めました。(広島大学)
そして厚生労働省が愛知県の健康な高齢者4425名のデータを解析したところ、残存歯数が少なく、かむ力が低い人ほど認知症の発症リスクが最大で1.9倍になるということです。
最後にアルツハイマー型認知症を発症したマウスを、奥歯を抜いた群と、歯がそろった群に分けて比較したところ、奥歯を抜いたマウスのほうが学習能力、記憶能力があきらかに低下していることがわかりました。(広島大学)
いかがでしょうか。
ものを嚙むことによって脳の血流がよくなりますし、神経回路を通じて脳への刺激が送られることで、脳の活性化につながるのです。
そして認知症の予防にもつながります。
当院ではできるだけ歯を残すように努力しています。
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