★まとめ!!!予防歯科って何?どんなことするの?
2022.11.25
予防歯科っていったい何?
予防歯科って何やるの?
こんにちは。安城市の神谷歯科医院院長の神谷繁彦です。
昔から歯医者と言えば歯が痛くなったら治しに行くというイメージが強いと思います。
しかし、現代ではむし歯を防ぐという考え方に、変わってきています。
それは、むし歯だけではありません。
歯周病も同様です。
近年、歯周病にならないように、いろいろな注意を患者さんに発しています。
またなってしまった人は、その病気が進まないようにいろいろな施術を行っております。
これを「予防歯科」と言っております。
つまり「予防歯科」は、むし歯や歯周病になりにくくする処置・指導を行い
歯やお口の健康づくり、健康維持を行っているのです。
すでに欧米では、歯科医院などで定期健診を受けることが習慣になり、
日頃から歯科医や歯科衛生士と一緒に歯とお口の健康づくりを実践しています。
近年、日本でもこの「予防歯科」が注目されています。
予防歯科のメリット
1,むし歯や歯周病を早期発見&未然に防げる
むし歯の初期は痛みはなく、自分でも気づきません。
痛くなったむし歯は、かなり進行していることが多く、たとえ治療しても完治は難しく、その後の歯の持ちは悪くなります。
(実際にはむし歯になったら歯をもとに戻すことは難しく、治したというのはむし歯の進行を止めることをさします。)
むし歯を治したというのはむし歯をたたいたのではなく、むし歯の進行を止めたに過ぎないのです。
よって、むし歯の再発もありうるのです。
歯周病では、痛みを感じることなく進行し、気がついたら歯がグラグラして抜けそうになっていた、なんてことも珍しくありません。
歯周病の進行が止まったとしても、歯磨きなどの手入れが悪くなってくると、また歯周病が進行してしまうのです。
予防歯科に定期的に通うことで、むし歯で痛い思いをする前に、また削る量が少ないうちに治療することができます。
また歯周病の主な原因である歯石を取り除くことで、歯周病が進行しにくい状態を作り、維持することができます。
2,健康な歯を長く維持し続けられる
前述のように、歯は一度失うと二度と元には戻りません
むし歯治療で歯を削ることは、歯の寿命を縮めます。
いかに歯を削ることなく健康な状態を長く維持するかが大事です。
歯周病もしかりです。歯周病は症状なくして進む病気です。
痛みがなく、気が付いたら歯が揺れて、抜けてしまうという可能性もあるのです。
歯を失えば失うほど食べられるものが減り、食事の楽しみは半減します。
食事の楽しみはQOL(生活の質)において、非常に重要な要素であることは言うまでもありません。
3,見た目の美しさ
予防歯科では仕上げにPMTC(Purofessonal Mekanikal Tooth Cleaninngu)を行います。
PMTCとは専用の薬品とブラシで歯を徹底的に清掃することです。
歯の表面に付着した、飲食物の着色汚れやバイオフィルム(歯に付着している細菌の幕)などが落ち、歯も明るくつややかになり、見た目も綺麗になります。
4,痛みに苦しむことが少なくなる
早期にむし歯を発見できることで、痛みに苦しむ前に治療を受けることができます。
また小さいむし歯は治療時の痛みもほとんど感じず、麻酔を使用せずに治療ができることも多いのです。
その分、費用や時間も少なくて済みます。
5,健康寿命が延びる
健康寿命とはは日常的・継続的な医療・介護に依存せずに、自分の心身で生命維持し、自立した生活ができる生存期間です。
つまり、平均寿命から日常的・継続的な医療・介護に依存して生きる期間を除いた期間が健康寿命になるのです。
超高齢社会となった日本。
平均寿命は男女とも80歳を超えています。
今後の大きな課題は、介護に頼らず、自分で最低限の生活ができる健康寿命を延ばすことです。
歯の残存本数が多いほど、健康寿命が長くなることが近年の研究で明らかになってきました。
6認知症のリスクを減らせる
歯の残存本数が少ない人ほど、脳の海馬や前頭葉の容積が小さくなり、認知症のリスクが高まることが分かっています。
また残存本数が20本未満で、入れ歯等を入れていない高齢者は認知症のリスクが約2倍になるという研究もあります。
7,全身の病気を予防
むし歯や歯周病は口の中だけでなく、全身の病気の発症や進行にも影響を与えます。
高齢者に多い誤嚥性肺炎は、歯周病菌が肺に侵入して発症します。
また、歯周病菌の毒素により動脈硬化が引き起こされ、脳梗塞や心筋梗塞のリスクを高めます。
さらに歯周病と糖尿病とは相互に悪影響を及ぼすことが分かっています。
8.経済的な負担が軽くなる
予防歯科の定期検診は費用の負担はあるものの、年に数回ほどです。
むし歯や歯周病になると治るまでに、何度も通院しないといけません。
むし歯や歯周病は定期検診よりも費用と時間がかかります。
また予防歯科を行うことで歯科だけでなく、医科(全身の病気)の保険治療費が少なくなることもわかっています。
いかがでしょうか?
今までの歯医者と言えば、むし歯や歯周病などの治療を行って終わり、というイメージでしたが、これからはお口の管理をするという方向に切り替ってきています。一度歯医者(歯科)のイメージを変えてみてはいかがでしょうか。
「予防歯科ってどんなことをするの?」
「予防歯科は歯医者で行うの?家で行うの?」
では、予防歯科を行うには具体的にはどんなことを行うのでしょうか?
まずはお口の中の審査、検査、診断を行います。
そしてその方法にプロフェッショナルケアとセルフケアがあります。
プロフェッショナルケア(歯科医院でのケア)
1,スケーリング
スケーリングとは歯石を除去することです。超音波スケーラーという、振動を利用して歯石を分解して除去する器具を使用します。
2,PMTC
PMTCとは(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)の略です。歯科医師または歯科衛生士が専用の器具や薬品を用いて歯の清掃を行います。
歯科衛生士、または歯科医師が機械を使って、普段の歯みがきでは落としきれない汚れを徹底的に除去します。
汚れを落とした後には、歯を滑らかに磨き上げることで、着色汚れや歯垢の再付着を防ぐことで、予防効果を発揮します。
3,ブラッシング指導
お口の環境や歯の性質は一人ひとり違い、その人に合ったブラッシング方法や歯ブラシの選び方があります。
最適なブラッシング方法のアドバイスを受け、正しいブラッシングをマスターして日々実践することが、予防歯科において最も大切と言えます。
4,フッ化物塗布
フッ素は歯の構造を強くしたり、初期のむし歯を修復したり、むし歯菌の力を弱めたりする作用があり、むし歯予防に大きな効果が期待できます。
5,メインテナンス
そして上記の処置を定期的に行います。
来院する頻度は月に1回から半年に1回程度で、患者さん一人ひとりのお口の中の状態により決定します。
当院では今まで6か月を主体にしていましたが、最近は間を4ヶ月に縮めてお願いしております。
4ヶ月の理由は、歯周病の原因菌が4ヶ月で急激に多くなってくるという、報告があるからです。
セルフケア(お家でのケア)
セルフケアとは自分でのお口の手入れのことです。
やることについては以下に述べます。
1,器具によるお口のクリーニング
歯ブラシでの歯磨き
歯ブラシは使い心地がよく、ヘッドの大きさは小さめもの、ブラシの硬さはふつうかやわらかいブラシを選びましょう。
毛先の硬い歯ブラシは、お口の中の凸凹の凹みに届かないので、あまりお勧めできません。
理想的には1日3回、毎食後に歯を磨くことですが、それが難しい場合は最低でも1日2回、朝と夜に丁寧に時間をかけて磨きましょう。
デンタルフロス(糸ようじ)・歯間ブラシ
いくら丁寧に磨いても、歯ブラシだけでのブラッシングでは、歯垢は60%ほどしか除去できません。
とくに狭い歯の隙間には、デンタルフロスや歯間ブラシなどの使用が不可欠です。
そして歯ブラシでの歯磨きと、デンタルフロス(糸ようじ)、歯間ブラシの併用をおすすめします。
2,習慣の改善
習慣は人から指摘されて気づくものも多いです。
とくに「歯ぎしり」は家族や歯科医に指摘されるまで気づきません。
ここでは主に2つの改善すべき習慣について説明します。
「ダラダラ食い」をしない
ダラダラ食べはむし歯の原因になります。
飲食物に含まれる糖分を栄養にして、むし歯菌は歯の表面を溶かし始めます。
テレビなどを見ながらダラダラ食べ続けることで、たとえ少量でもお口の中は常に糖分が含まれることになり、歯は溶け続けてしまいます。
これは甘いジュースやスポーツドリンクも同様です。
食事やおやつはメリハリをつけて摂取することが大切です。
食いしばり、歯ぎしりを防ぐ
食いしばりや歯ぎしりは歯にとても大きな負担がかかり、歯に痛みが出たり、歯がすり減ったりと悪影響を及ぼします。
食いしばりは意識することで防ぐことができます。
また歯ぎしりは自分では防ぐことができません。
日常のストㇾスが原因になっていることもありますので、ストレスをためないようにしてください。
対策はとりあえずは専用のマウスピース(歯ぎしり防止装置)を就寝時に装着するのが最もいい方法でしょう。
マウスピースは保険適用となります。ご相談ください。
いかがでしょうか。
皆さんは一生自分の歯でものを食べたいと思っておられると思います。
むし歯や歯周病などになりにくいように、日ごろからお口の手入れに努めていただければと思います。
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